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日本国有鉄道 労働運動史

鉄道ジャーナリストこと、blackcatの国鉄労働運動史

国鉄労働組合史詳細解説 76

皆さまこんばんは、しばらく間が空いてしまいましたが国鉄改革の歩みと言うことで、本日も綴らせていただきたいと思います。

昭和57年のマスコミによるブルトレ手当問題(ヤミ手当問題)に端を発した国鉄問題は、臨調の答申もあって国鉄当局が変わるきっかけを作っていくことになりました。

さらには、昭和57年のダイヤ改正国鉄にとっても初めての減量ダイヤであり、この交渉に際して、従来の方針を変更し、現場協議制を本来の姿に戻すとして国労に通告することになりました。

その背景には、臨調答申などの背景や政府・自民党の後押しも多き方っと推測されます。

逆に、この当時の国鉄は利子のために利子を借金せざるを得ない状況に追い込まれていたと言えます。

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二条駅に留置された581・583系(画像 wikipedia

国鉄本社が職場規律の確立に舵を切ったこと

昭和57年7月21日、国鉄本社で、15時50分から本社9階大会議室で、全国総局長・鉄道管理局長会議が開催されたそうです。

そこで、高木総裁自ら、職場規律の確立を強く要請するなど、流れは大きく変わってきました。

ここで高木総裁も職場規律の確立を要請すると言っているように、国鉄としても悪習である現場協議制を本来の形にもそして行くと言う方向に動きました。

当時の国鉄線(昭和57年9月号31P)から引用させていただきます。

全国総局長。鉄道管理局長会議開催

 21日、運輸省で小坂運輸大臣に対して職場総点検の是正状況を中間報告したのに引き続いて、15時50分から本社9階大会議室で、全国総局長・鉄道管理局長会議が開催された。
 冒頭、挨拶に立った高木総裁は、経営改普に懸命の努力を続けている各鉄道管理局長に感謝の意を表した後、国鉄の再建のためには,職場規律、合理化、サービス向上、増収の4つの認識にいろいろな角度から取り組んでいくことが必要で、中でも職場規律の確立はすべての前提である」として、職場規律を中心に4つの課題にしっかり取り組むよう強く要請した。また、現場協議協定の改定についても、「労使問題の根源がここから派生している」として、幹部自らが現協問題のすべてをじっくり勉強して、部下管理者に対する周知と指導を徹底するよう厳しく訓示した。
 引き続いて、竹内常務理事が経営再建問題について、三坂常務理事が職場規律と新規採用停止を中心とした合理化問題について、太田職員局長が現場協議制度の改定について、岩崎共済事務局長が共済年金問題について議題脱明を行ない、質疑応答に移り、熟心な意見交換が続いた。
 最後に馬渡副総裁が、「来年度の予算編成もさることながら、今年度の執行自体が非常に困難な状態で、死にもの狂いで増収と合理化を完遂する以外に道はない。とにかくやるしかない。それならぱ暗い顔でなく胸を張って堂々と気持良く取り組もう」としめくくり、18時過ぎ散会した。

昭和57年度の監査報告書では、下記のように職場規律の確立が肝要であると書かれています。

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国鉄を取巻く環境の変化と労働組合

このように、国鉄を取巻く環境は大きく変化し、国鉄当局も太田職員局長も職場規律改善に向けて動き出すことになりました。

これは、政府からの要請も大きかったようで、昭和57年の監査報告書には下記のように書かれています。

 

抜粋して引用させていただきます。

1職 場 管 理
第4 職 員 管 理

(1)現    状
  国鉄の職場規律の乱れが次々と指摘され国民の厳しい枇判を受けることとなり、かかる事態に対し昭和57年3月運綸大臣の指示により全職場の総点検を実施した。その結果。多くの職場において、いわゆる悪價行、ヤミ協定、現場協議制の運用の乱れなどが存在し、問題の広がりと深さは、それまで把握されていた以上に深刻であることが判明した。
  国鉄は。このような実態を早急に是正しなければ、職場の正常な業務運曾は維持できず国民の信頼を回復させることも到底できないとの危機意識をもって、この一年間組織を挙げて問題の解決に取り組んできた。また、これと併行して、職場規律の乱れの温床との指摘のあった現場協議制についても、これまでの鰹験や反省をもとに検討を加え、昭和57年12月1日をもって、本来の趣旨にのっとり改訂し、現場での正常で円滑な業務運営を期することとした。
  一方、政府は、昭和57年7月の臨時行政爾査会の答申を受け、国鉄経営の危機的状況に鑑み、同年9月緊急対策を閣議決定し、職場規律の確立をあらゆる経営改善施策展開の大前提として位置付けた。これを受けて、国鉄は、職場規律の確立を最優先課題としてその促進にさらに力を入れて取り組んだ。
  このような取組みによる成果を把握するため、国鉄は、昭和57年9月に第2次の総点検を行い、是正状況を厳しく自己点検し是正の促進と定看化を図り、さらに昭和58年3月に第3次の総点検を実施した。その結果。いわゆるヤミ手当をはじめ、給料日 の早退、管理者の金銭的負担等が解消したほか、いわゆる悪t貫行、ヤミ協定等かなりの項目についても大勢として改善の方向にあることが認められた。また、新しい現場協議委異会制度に関する協約については末締結の組合もあるが、昭和57年12月以降の
 現場における業務運営は、ごく一部を除き、大きな混乱もなく行われていることが把握された。

更にこれに対して、国労は「現場協議制」については、国労は、協約の実質上破棄通告であると強く反発し、団体交渉を重ねるとともに公労委の調停にも持ちこんだようですが、国鉄当局としても、職場規律の確立は喫緊の課題であり、提案を変更することはなく、国労全動労全国鉄動力車労働組合)は、無締結状態となりました。
動労、鉄労、全施労は11月30日当局の改定案を大筋で了承し解決しています。
この頃から、国労動労の温度差が出てきていたことが伺えます。
参考 現場協約と改定案の相違点

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引用 国有鉄道昭和57年11月 から引用
 

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第1章、臨時=行革路線と国鉄労働組合

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続き

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 第2節 80年代前半の国労つぶし包囲網との闘い
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二 臨調基本答申に対する国労の対応とその後の闘い

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├○ 三 臨調=行革路線に基づく国労攻撃との闘い│
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 57.11ダイヤ改正交渉と鉄労・動労・全施労の先行妥結

 このような少数3組合の先行妥結に対して国労は、このような協定では、『労働条件に関する協定とはいえない」こと、従来の労使関係からして『少数組合と先行妥結した内容を国労に押し付けることは許されない」などと強調するとともに、36協定破棄、順法・非協力闘争治っで対抗しながら、異なる協定の締結を求めて精力的に交渉を要求した。その結果、「昭和57年11月ダイヤ改正に伴う労働条件については、地方対応機関において交渉し(82年11月14日)、交渉は事実上打ち切られることになった。そして、これまでの「合理化」問題交渉では、他方で一定の労働条件改善(昇格)が行われていたが、この57・11ダイヤ改正問題をめぐる交渉からは、そのような措置も行われなくなった。

 現場協議制に関する交渉の決裂

自民党三塚委員会が”破棄”を提言し、臨調第4部会報告も”本来の趣旨”に改めるよう主張していた「現場協議制」について、「国鉄当局は82年8月19日、「現場協議制に関する協約」の改定案を提示し、協約期限の11月30日までに交渉がまとまらなければこの協約は破棄すると提案してきた。この提案は、すでに7月19日に動労、全施労、鉄労などには提示されていたもので、国労は解明要求を申し入れて、その交渉には応じていなかった。この8月19日に示された改定案の骨子は、①協議の対象範囲を労働協約就業規則、規程、達、通達等に定められていない現場固有の日常の労働条件に関して生じた団体的紛争に限定する。②開催は毎月①階とし、臨時開催を認めず、1回の教義時間は時間以内とする。③ 上級委員会を設置し、現場労使が対立した問題は上位する、などであった。
                                      
続く