長らく更新できませんでしたが、久々に更新させて頂きます。
国労の記事では世界情勢を中心とした内容でしたので、今回は割愛し、国鉄の昭和60年国鉄線9月号からの記事を参照しながら解説を加えさせて頂こうと思います。
国鉄は、昭和59年度で収支均衡を達成した?
国鉄は昭和39年以降赤字決算だったという言うことで、それ故に民営化が行われたと言うことになっていますが。
実は、国鉄監査報告書を参照しますと、国鉄の収支は幹線系に限れば、昭和59年には黒字を達成していました。
これは、昭和60年における幹線系の収支均衡を図るという目的からすれば、1年早く達成した目標でした。
以下は、国鉄部内紙、国有鉄道1985年9月号から引用したものですが。
昭和59年の損益が345億円と営業外損益を差し引いても黒字に転換していることが理解して頂けるかと思います。
新幹線保有機構が誕生した経緯
参考:「Hosei University Repository 新幹線鉄道保有機構の成立と沿革から」を参照
最終的に、各社の収益を平均化すると言うことで、新幹線に関しては在来線を保有する旅客会社にリースという形で貸し付けることになったわけです。
本当に分割しかなかったのか?
以下は、個人的な素朴な見解なのですが。
再建監理委員会の答申では、国鉄の分割ありきが前面に出すぎているきらいがあり、新幹線の持つ圧倒的な収益性を持つ、東海道新幹線で東北・上越新幹線並びに、東北地域の在来線を維持する内部補助を行うとした資料に注目したわけですが、分割ありきの作文と思えてしからがないわけです。
最初から、東海道新幹線の収益で東北本線や、東北・上越新幹線の内部補助を行うのであれば、分割ではなく、新幹線会社+在来線会社でも良かったわけで。
在来線会社も場合によっては、国鉄がそうであったように、幹線系と地方交通線系に分離して、地方交通線系にあっては、地方ごとに独立採算、幹線系は全国一律で一体民営化による独立採算、新幹線での黒字分を赤字ローカル線を多数抱える地方交通線系の会社に内部補助というスキームでも良かったのではないかと思ってしまいます。
もちろん、これは後付けの知恵でしか有りませんが。
内部補助で、東北。上越新幹線だけではなく、東北本線などの赤字補填という案を見るに付け、何だかなぁと思ってしまうわけです。
もっとも、その結果、新幹線に関しては新幹線保有機構が、保有して東海・東日本・西日本にリースするという形となったわけですが、この方式では新幹線を資産として計上できない他、リース期間終了後の新幹線の扱いが不明瞭であったこと、整備新幹線の財源を探していた政府との思惑もあって、最終的に、本州各社に売却する(その際、1兆円の上積みが行われた)訳ですが、上場前であったこの時期、敢えて売却ではなく、新幹線保有会社と在来線会社として完全に分離したうえで、将来的に統一するというスキームが示されていれば、現在の並行在来線問題も含めて又違った形になっていたのではないでしょうか。
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国鉄があった時代 JNR-era
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