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日本国有鉄道 労働運動史

鉄道ジャーナリストこと、blackcatの国鉄労働運動史

国鉄労働組合史詳細解説 107

本日も、国鉄労働運動史をご覧いただこうと思います。

今回は色々と資料を探してみたのですが、鉄労の資料を『国鉄民主化への道』を参考に書かせていただくのが一番詳しいようでしたので、この記事を参考に解説を加えさせていただきます。

国労とのパイプを絶つことに成功した、仁杉総裁の辞任

国鉄民営化に投書は賛成の意向であった、仁杉総裁は、本社内の民営化反対の勢力に押される形で、民営化を容認から、反対に転じることとなりましたが。
この辺は、もう少し複数の資料を探していく必要はありそうです。
6月21日に、仁杉総裁は辞表を提出、翌22日は土曜日でしたが緊急役員会が開催され、縄田国武副総裁と半谷哲夫技師長が辞表を提出、他の役員にも辞表を提出することを要請し、現状維持派の大半を含む役員の辞表のとりまとめを行ったと書かれています。

最後の最後で民営化に反対する常務理事を道連れに、辞任したのは歴史の皮肉とはいえ国鉄の改革には大きく前進したと言えそうです。

国鉄当局とのパイプを失った国労

そして、ここで一番打撃を被ったのは、国労でした。

それまで、国労とのパイプを持っていて、秋山機関と言われた、秋山資材局長と国労のパイプが切れてしまったことで、国労は迷走することとなります。

国労自体は、ある意味馴れ合いでこれた活動は出来なくなり、本社とのパイプがなくなってしまったため、結果的には〝三ない運動〝の中止にも見られるように、今までの勢いは何処へやらとなってしまいます。

雇用安定協約を再締結されなかった国労は更に窮地に

さらに、鉄労が早々と「雇用の安定に関する協約」を11月13日には調印したに対し、国労は上記のとおり、〝三ない運動〝中止を行うなど、国鉄当局への歩み寄りを示す姿勢を示すと共に、総評議長の黒川武が、国鉄総裁と組合の間に入り、雇用安定協約の締結に動きましたが、当局は、一部地本に非協力的なところがあるとして、これを拒否することとなり、雇用安定協約の再締結には至らず、国労は更に混迷の中に巻き込まれていくことになるのでした。

 

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国鉄があった時代 JNR-era
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************************以下は、国労の資料から引用になります************************

583系改造の419系、国鉄改革の象徴とも言えます


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第2章、国鉄分割民営化攻撃と国労攻撃

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 第3節 59・2ダイヤ改正後の余剰人員対策をめぐる交渉
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 四 団体交渉再開と雇用安定協約の締結

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├○ 第四七回臨時全国大会の方針と〝三ない運動〝の中止│
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 国労第四七回臨時全国大会が八五年五月二七、二八日の両日、札幌で開催された。この大会の中心議題は、「余剰人員調整三項目」
を中心とする闘いの総括と分割・民営化反対の闘争方針等を決めることであった。方針案は概略つぎのようなものである。
 ① 九カ月におよぶ闘いのなかで露呈した指導部に対する『統一闘争』の組織化をめぐる不信・批判などの内部矛盾を除去することに全力をあげ、すべての労働者の創意と行動を組織化する大衆闘争と組合民主主義の徹底をはかる。
 ② 過員づくりが、分割・民営化を推進する重要な施策であり、一体不可分であるだけに、反合理化闘争を再構築し、一人の首切りも許さない態勢をつく。
 ③ 過員の解消をめざし、安全・サービス。労働条件および権利の向上などを実現する闘いを組織する。 ④地方交渉の確立な未解決の要求の実現をはかる。
 ⑤ 用安定協定については今から再締結運動に取り組む。
 ⑥ すでに派遣に応じた仲間の派遣先での労働実態および悩み・不満などについて調査し、問題解決に取り組む。
 ⑦ 当局の一方的な「規定」の制定と業務命令の乱発にたいして、 すべての職場で就業規則の点検と意見書提出の闘いを継続して 闘う。
 また、「余剰人員対策三項目」の協定の前進面として①強制・強要はしないこと、応じないことをもって不利益にしないことを明確にさせた、②所属長が該当職員に文書で復帰・復職を保障することを協定上明確にした、③組合が、〝肩たたき?をしなければならないような協定にしなかったことなどが、書記長による協定締結の提案のなかで示された。
 「余剰人員対策三項目」に対する闘いの総括をめぐって論議がかわされ、「三項目」関係の諸協定は委員長の特別発言をうけて承認したが、闘争経過については、さらに職場討議をつづけ、七月下旬に名古屋で開く第四八回定期全国大会で最終総括をおこなうこととなった。
 七月二九日から五日間、開かれた全国大会では、「余剰人員対策三項目」の闘いの総括について次のような書記長集約意見で経過を承認した。「『三項目』問題では、妥協せざるをえなかった経緯と協定をよりどころとして職場の闘いを強化していくこととする。
臨調行革の攻撃として受け止め、これに反対する広範な統一した闘い、権利闘争としての闘いを職場と地域との結合した全国的な闘いへ発展させるうえで不十分さをもっていたこと、組合民主主義上の問題や指摘も含め、これらを教訓として闘いを展開していくこととしたい」。
 また、国鉄当局は85年11月30日に雇用安定協約の期限が切れるが、協約の延長締結を求める交渉において、国鉄当局は「国労の運動のなかに〝三ない運動?があるので雇用安定協約締結という心証形成には至らない」と主張し始めた。
 このような当局の姿勢に対し、11月19日からの第一四四回拡大中央委員会で山崎委員長は挨拶で、「三ない運動」中止し、その後の対応を「派遣労働者の組織対策を強化し、協約締結以降の今日の状況の変化に留意する。強制・強要を監視し、不利益扱いについては中央・地方での団交を強化し追及する」と述べた。中央委員会で委員長の真意を問いただす質問が集中したが、次のような書記長答弁で方針を決定した。
 「雇用安定協約が結べない場合、当局は、三項目協定と関連して組織分断の宣伝を強化するであろうし、他組合は、組合員の雇用安定を放棄したと攻撃を強めるだろう。さらに協約を結べなかったことを理由に、当局は『過員』に配転命令し、拒否には解雇のねらい打ちが考えられる。希望退職者数に達しないことを理由に、指名解雇などの事態を予測した場合、協約がないことのマイナスは大きい。いま協約を結ぶ必要性は非常に重くなっている。」

続く

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